早ければ3回で合格水準に到達する受験小論文の書き方。5回答案を書いてみると、形式的に整った小論文を書けるようになります。試験官の印象が良い、好評価の答案を書くための対策の仕方を解説。
答案の採点基準、合格者を決定する順位
小論文の答案を採点すると9割近くは、同じ結論に向けて、似通った論の運びで文章を綴ったものになります。残り1割強が個性的な結論の答案です。
試験官、この場合は採点に従事する担当の立場から本音を吐露するならば同じストーリーを延々と繰り返しで読まされるので、極めて苦痛のようです。
採点者も読んでいて愉しい答案に出会いたいのです。
原因は受験生が集団授業で小論文の授業を受けて、教わった内容をそのまま答案に書いているからです。ちょっと思索の時間を確保すれば、際立った優秀答案になるのですけどね。
合格者を選ぶ順に、答案の特徴を採点者目線で解説していきます。
独自の視点、着眼に基づく唯一無二の答案
結論が独自の視点と着眼によっていて、採点者も得点を付すときに心を揺さぶられる答案があります。採点基準を事前に設定して、想定答案を大きく2通り、細かくは8通り用意するのですが、準備を超えた答案に遭遇することがあります。
迷うことなく、合格を出します。
標準的な着想だが、意見を論述する基本は備えた解答
合格を堅実に狙うには「他の受験生と同じ」答案を書くのが小論文の鉄則です。講義形式で教わった順番で答案を書いておけば、採点担当者も区別ができませんから。
受験指導をしている講師の立場で標準的な発想で答案を書いているお子さんに確認したところ、模範的な「一つ」の絶対解が存在して、模範解答に近付くように答案を書いている、とほぼ全員が答えます。
違います。
集団授業で習った内容を、自分なりに消化して、もう一段、結論を磨くのです。つまり、個性を答案に加えるのです。
形式が完璧で誤字脱字ゼロ、平凡な結論の論文
形式を遵守して構成がしっかりした答案、読んでみると、ありふれた内容の答案が第3位に合格者を選ぶ候補としてノミネートされます。第3集団です。
ユニークな結論を専門書で調査する
著名な研究者が執筆した書籍を研究するのが堅実です。テレビや新聞に登場する学者で、肯定的に受け入れられている著者の本を入手して文章の書き方を研究するのが短時間で文章力を向上する取り組み方です。新書が読みやすくて、確実です。
同年代の優秀答案を研究する
学校が優秀答案として掲載している文章が評価の高さの根拠になるので、文章の特徴を研究すると役に立ちます。
同じ世代の筆者の文章は参考になります。感覚が近いので、答案を読んで、良い所を取り入れやすいのです。
まとめ、答案を書くよりも優秀答案の分析に時間を割く
小論文は答案を書くよりも、他の文章を入手して比較、検討する時間を増やした方が答案の質を向上させることが容易です。
優れた文章に巡り合って、採点者が高く評価する答案を書く努力を重ねていきましょう。
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