記述式の問題が多く、選択肢を選ぶ問題であっても正解を選ぶのが難しい試験を出題する渋渋。帰国子女入試の難易度を理解するための偏差値の目安と解き方、対策の仕方について解説。
渋渋の帰国子女入試、英語の偏差値
英語の偏差値は事実上存在しないのですが、指標として推定値を算出しています。入学後に他科目の授業は一般生と同じ授業を受けることを踏まえています。
サピックス(推定) | 四谷大塚(推定) | 日能研(推定) | |
英語のみ | 男56 女54 | 男58 女58 | 男59 女59 |
偏差値を理解すると、次に芽生える疑問が「我が子が受かるか否か」でしょう。
英語選択の受験生は読解問題が簡単とか、リスニングは解きやすいと主張するのですが、実際の難易度はどうなのでしょうか?
英語の読解問題は出題する英文の出典が名作になることが多いです。2番目に頻出なのが、時代背景に特徴がある作品からの出題です。
英文の物語文や小説では登場人物の心情変化を問う設問の出題比率が高いです。問いは単語の知識で解ける問題も含まれていますが、文章の場面が変化する部分での英文での人物描写を理解できているかを確認する設問がほとんどです。設問によって難易度が大きく変動するのが他校にない出題方式です。
難易度が高い設問の対策には問題が附随したイギリスの出版社の問題集で対策するのが堅実です。他校の帰国入試で出題される英語問題は日本の大学入試に範をとっているのに対して、渋渋の英語問題はアメリカ、イギリスの英語テストを意識した作りになっているのが違いです。
渋渋の帰国子女入試、作文型入試偏差値
国語、算数、作文で合否を決める試験で難易度は一般入試の8割弱です。やや解きやすい問題で出題されているのですが、受験生はまだ完全に仕上がっていない時期なので、決して易しい問題とは感じないようです。
サピックス(推定) | 四谷大塚 | 日能研 | |
作文型の偏差値 | 男58 女59 | 男61 女64 | 男62 女65 |
国語の偏差値を上げる解き方
記述式と選択式の問題で構成されているのですが、記述は的外れなことを書いてしまう受験生が保護者の想像以上に多いです。合格者でも見当違いな記述を2つ連続して書いても合格することがありますから、決して簡単ではありません。記号問題は正しい選択肢に絞る集中力が要求されるので、自分の知性に自信を持つ解き方を身に付けることが重要になります。
結論的には、記述は問いに対してワンフレーズで解答の中核を答えること。残りの文字数で答案のコア部分を詳しく説明する解き方を徹底演習することにあります。数を解く必要はありませんから、8回も入試レベルの問題で練習すれば合格レベルに達することでしょう。
記号問題は慣れと確信の2つを満たすと合格水準に到達します。慣れは記号問題で正解するのに求められる周囲の試験時の雰囲気への慣れと、記号選択のときに自分が選んだ答えに自信を持てる解き方に対する慣れです。
確信は自分が正しい選択肢を合格者レベルで選べると問題演習を通じて自分の解き方を確立することです。自分のペースで国語の読解問題を6問解けば大丈夫です。海城の国語、女子学院の国語、市川の国語を2年分ずつ、合計6問で練習になることでしょう。
算数の偏差値を上げる勉強の仕方
やや合格最低点が低い点に注意が必要です。大手塾で問題数をこなす解き方を重ねてきた児童には苦痛な問題です。与えられた数値、データ、条件からパズルのように正解の数値を求めていくことが点数を伸ばす解き方です。
ヒントを与えてもらいながら、見たことがない中学受験の問題を解いていくのが対策になります。聖光の算数、豊島岡女子の算数、筑附の算数が練習になります。
作文の書き方
最初は文字数を満たすのに四苦八苦します。同じ問題を1ヶ月後、2ヶ月後に書いてみると、速く、文字数以上に書けるようになります。
指定された文字数の2倍の分量を書けるようになったときが完成度の高まった目安です。今度は、余分な語句、文を削って、既定の文字数になるように削って下さい。例えば800文字で書く問題を1,600文字で書けるようになります。1,600文字の答案を800文字に圧縮して下さい。出来るようになれば合格水準に到達しています。
まとめ、英語は問題を解きながら単語力をアップさせ、国語は記述で稼ぎ、算数で確実に解ける問題を拾う
英語は単語力の有無で基礎点に達することができます。作文型は国語の記号問題と算数の標準問題でボーダーに到達します。合格への上積みは英語ではライティングの個性的な着眼、国語の記述と算数の初見問題で点を得ることです。
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